蕎麦の八徳


            その昔、そばの利点にスポットをあてて作られたそば屋の宣伝文 
 

  実   毎   和   多   雖   器   膳   非

  是   日   湯   食   食   少   中   穀

     仙   食   防   腹   後   饗   備   美

  家   無   寒   耗   能   応   天   於

  食   飽   気   易   進   厚   地   穀

       こくよりうるわしく        (五穀ではないが五穀よりおいしい)
      ぜんちゅうにてんちをそなえ    (お膳の中に自然のすべてがはいっている)
      うつわすくなくしてきょうおうあつし(器はすくないがもてなしはあつい)
      しょくごといえどすすめてよし   (食後でも蕎麦くらいは食べられるだろう)
      おおくをたべてもはらこなれよく  (蕎麦はたくさん食べても消化がよい)
      わとうはかんきをふせぎ      (蕎麦湯を飲めば寒気を防ぐ
      まいにちしょくすれどあきない   (毎日蕎麦を食べても飽きることがない)
      じつにこれせんけのしょくなり   (仙人は霞を食べて生きたというがこれは蕎麦のことで
                        はないか)

            五穀 五種の主要な穀類。その内容は時代や地域によって一定していない。
         米
(きび)または(ひえ)を指すことが多い

                                                      背景写真は牡丹種そば
                              蕎麦噺